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パソコン会計                               記事:税理士 堀川康範

パソコン会計と自計化は違う意味?

「パソコン会計」や「コンピュータ会計」とは「顧問先である企業が自分で会計ソフトに必要データを入力する」ことを指します。会計事務所が良く使う言葉の中に「自計化」がありますが、同じ意味です。パソコン会計は、全国商工会連合会が推奨する会計ソフト実務能力試験として社団法人コンピュータソフトウェア協会が、また、コンピュータ会計はコンピュータ会計能力検定試験として社団法人全国経理教育協会が認定試験を行っています。

パソコン会計のメリットは何?

パソコン会計のメリットは、各々の会社の事情で異なりますが、主に次のものがあげられます。

メリット1 経営状況が、リアルタイムで把握できるため、経営の意思決定が速くなります。また、月次試算表も出来上がるのが早いため、銀行融資のイメージもアップします。
メリット2 会計事務所に記帳代行を依頼しない分、より付加価値の高いサービスを受けることが可能になります。つまり、会計事務所の仕事は監査業務(勘定科目の妥当性を確認)や試算表の説明、資金繰り、経営相談、インターネットの活用方法など質の高いサービスをしてもらえます。
メリット3 質の高いサービスより、少しでも報酬を下げてもらいたい場合、相談に乗ってもらえます。また、取引件数の増加等により会計事務所から記帳代行報酬の値上げをお願いされた場合、逆にパソコン会計に移行することにより報酬を据え置く場合もあります。
メリット4 会計ソフトは、販売管理ソフトと連動することにより一層の合理化が可能です。つまり、売掛金や買掛金の発生や入金・支払の管理は販売管理ソフトで行い、会計ソフトではその情報を受取ことにより二重入力の手間を省き、入力ミスを減少させます。

パソコン会計に問題は無いの?

今までの相談を要約すると、次のようになります。皆さんの悲痛な声が聞こえます。

相談その1 「専門知識は必要ありません」とパソコンショップで言われてソフトを買ったが、実際はどうしていいか解らないのでとりあえず入力している。でも、正しいことをしているのか全く解らなく、不安である。
相談その2 今までは、伝票を記票して会計事務所に渡していたが、パソコン会計を機会に、自分で伝票をもとにパソコンに入力を始めた。しかし、今までの仕事にプラス入力作業や確認作業が加わり、ずいぶん負担が増えた。現金残高や預金残高を合わせるだけでも、ものすごく時間がかかる。
相談その3 販売管理ソフトと会計ソフトの両方を使っているが、データ連動の方法がよく解らない。それに、値引きや相殺があった場合の設定が、どうしていいか解らない。
相談その4 販売管理ソフトと会計ソフトの連動をしているが、残高が合わない。連動の度に残高の不一致額が大きくなってきているので、明らかに間違ったことをしているが、どうしていいか解らない。
相談その5 パソコン会計を導入したので、会計事務所に記帳代行分の報酬を下げてもらうようにお願いした。しかし、「そんな間違っている内容で、決算書や申告書を作るわけにはいかない」と言われ、会計事務所は今まで通りの仕事を続けている。当然、報酬も下げてもらえない。
相談その6 パソコン会計をしようと考えたが、どのソフトが良いか解らない。会計事務所に相談したら、会計事務所向のソフトを作っているメーカのものをすすめられた。高額なソフトだが、会計事務所に「このソフトメーカでないと対応できない」と言われ、仕方なく購入した。しかし購入した会計ソフトは、色々な統計資料が出力できるなど機能は盛りだくさんだかハッキリ言って不要である。この会計ソフトが自社にマッチしているのかとても疑問である。

パソコン会計成功のポイント

上記の問題点は、メリットと表裏一体の関係にあるといえます。ポイントは、「問題点をつぶし、メリットだけ享受できるパソコン会計」を考えることです。

「パソコン会計」の目的は、
1.会計処理の品質とスピードアップにより、データを経営に生かす
2.会計事務所の負担を減らすことにより、より高度なサービスを受ける
ことです。

パソコン会計は上記目的を達成する手段であり、目的ではないということをよく理解する必要があります。そうしないと、「パソコン会計ソフトを買ったから、もううちの会社は合理化できた」みたいな「勘違い」をしてしまいます。
「パソコン会計の運用」をしっかり検討しないでパソコン会計を導入したことにより企業側の経理担当社員の負担があまりに大きくなり、「パソコン会計導入後は残業時間が増えた。その割にはミスが多い」では意味がありませんよね。会計ソフトだけ押し付けられた経理担当はたまったもんではありません。
パソコン会計成功のポイントは、経理業務の品質(Quality)と速度(Speed)そして導入・運用費用(cost)のバランスにあるといえます。私は、このQuality・Speed・costの頭文字をとってQSCバランスと言っています。(Speedは、delivery(納期)と置き換えて、QDCバランスとも言います)。

会計ソフトの選択

家電量販店やネットを検索すると、たくさんの会計ソフトが販売されていますが、ソフトの選択基準を決める必要があります。選択基準とは、会計ソフトに何を求めるかということです。

たとえば、次のものが考えられます。
1.メーカのサポート体制
2.会計事務所のサポート体制(どのソフトをサポートしているか)とデータ連動の可否。
3.会計ソフトから出力される統計資料の種類(部門別資料、キャッシュフロー、予算実績比較、各種グラフなど)
4.操作性
5.値段

会計事務所向け会計・税務ソフトのベンダであるTKC、MJS、ICS、JCLなどは、1~3は何の問題もないでしょう。特に、統計資料は豊富でデータ連動も問題ありません。問題があるとすると操作性と値段です。操作性は、もともと「伝票ありき」が前提となっている場合が多く、「領収書などの証憑からの直接入力」をするとき、あまり使いやすくありません。値段についても、安価なものは制約が多く「他の市販会計ソフトとの競合のための商品カテゴリ」の意味合いを強く感じます。

一方、「他の市販会計ソフト」で現在ユーザー数が多いのは、弥生会計、勘定奉行、PCA会計、会計王、新しいところで「らくだシリーズ」あたりです。やはりこういった業務ソフトは、「使いやすいもの」でないと一定のシェアは確保できません。また、ユーザ数が多いということは、ソフトウエアの瑕疵(バグ)の修正も迅速ですので、安心して使えます。

当然ですが、どのソフトも複式簿記の原則に基づき設計されており基本的構造は変わりません。ただし、操作性やメニュー構成、仕訳の定型登録、販売・在庫管理ソフトとの連動、ネットワーク機能、会計事務所との連動機能、統計管理帳表にかなりの違いがあります。

大切なのは、会計事務所と同じ財務会計ソフトを選ぶことです。そうすれば、電子データの受渡しにより手書きの帳簿を渡すのと同じ効果が得られるからです。なお、当事務所ではデータ連動機能が充実している弥生株式会社の弥生会計を推奨しております。
但し、弥生会計が良いか否かは業務内容によります。クライアントと検討を重ね、他の会計ソフトを採用する場合もあります。会計ソフトは会計事務所とクライアントとの双方の立場から、ベストなものを選択する必要があります。

(注)財務会計ソフトの価格は4万円から数十万円と大変幅がありますが、最低価格のものであっても財務会計ソフトとしての基本的機能に問題はありません。ただし、サポートのないフリーソフトやあまりにもユーザー数の少ないソフトはできるかぎり避けることです。

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